OBT 人財マガジン

2008.05.14 : VOL45 UPDATED

OBTカフェ

  • 人を育てるということ  ~「気」を引き出す~

    「気」という字がつく単語は1,000語ほどあるという。

    広辞苑の3,000ページを調べることはやっていないが、思いつくままに書き並べてみても、やる気、元気、勇気、陽気、根気、人気、強気、弱気、気合、気迫、気力、負けん気、気まま、短気、呑気、気分、天気、色気、浮気・・・まだまだいっぱいある。

    「気」という語そのものの意味は『生命力の源。行動の原点』とあり、この「気」が健全かそうでないか、強いか弱いかで、明らかに行動そのものが異なる。

     

    今風のことばにすれば"マインド"というのが近いであろうか。

    "スキル"の軸と併せて、この"マインド"の軸の双方がアップしていかねば、『人財』としての力は出てこないだろう。

    スポーツの世界でも、肉体の鍛錬を併せて、"精神力"が成績を左右する。

    「気」が生命力の源であればこそ、この「気」を如何に引き出すか、発揮させるかが生命力、人間力の強さに繋がるのだ。

     

    企業内教育は、経営根本精神の具現化を最終目的とするものと考えているが、「現在」と「未来」のふたつの側面を持っている。

    即ち、現在の闘いを有利に導く戦術的教育と、企業の未来を確実にするための人材開発とに区分できる。

    そのいずれに偏っても、企業内教育は存立の意味を失ってしまう。

    また、教育には「知識・技術の付与」と「意欲の喚起」というふたつの領域があり、これもいずれかに偏った場合、企業内教育はその本質を見失う。

     

    如何に理屈を並べても人は動かない。

    だから、『理動』ということばはない。

    如何に知識を詰め込んでも人は動かない。

    だから『知動』ということばもない。

    しかし、人を育てる立場の人間のメッセージが、相手の感性にまで到達したとき、人は本気で動く。

    だから『感動』ということばがある。

    教育の対象は人間である。

    人間の人間たる所以である"マインド"に働きかける教育が、昨今少なくなっていることが"気"にかかるが・・・。

           

     

    On The BusinessTraining 協会 門田 元宏