OBT 人財マガジン
2008.04.09 : VOL43 UPDATED
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意識し続けるということ
「私が扉を開ける。」これは「私が」扉を意識的に開ける「動作」を意味している。
「扉が開く。」こちらは、風で扉が開いたり、自動で扉が開いたりする「現象」を表している。
先日わが社で新入社員教育の体験をした。私自身新入社員教育を受けたことがなかったこともあり、大変貴重な時間となった。
私は今回の教育を体験して、仕事に対する認識について改めて思い知らされることとなった。自分が仕事をするということは、自分にしかない「価値」を生み出すことに大きな意味がある。
その価値を生み出すために、目の前にある仕事に自分らしさを吹き込むことから始めてみようと思った。目の前の小さな仕事にも自分らしさを吹き込んでいくことで、小さいけれど自分の価値を今からでも生み出せるような気がした。そのためには、自分にしかできないものは何か?を問い続ける日々の意識が必要である。自分らしさとは何か、自分にしかできないこととはなにか、日々意識し考えることである。
私は4年ほど前椎間板ヘルニアを患い3日間眠れず、非常に痛い思いをしたことがある。原因は日常の姿勢の悪さからということだった。幸い今のところヘルニアの再発はないが、新入社員教育の中で背筋を伸ばしなさいと注意を受けたとき、あんなに痛い思いをしたのに姿勢を治していなかった自分に再び気づいた。実を言うと、これまでにも「背筋が丸まっている。」と何度か言われてきたのだ。「姿勢を治さなければならない。」ということは当然、頭では分かっている。しかし、意識をして治そうとし続けてこなかったのである。
教育の日以来、意識をして「私は、背筋を伸ばしている。」初めはなんだか辛いものだ。知らないうちに背筋が丸まっていることにも気づく。簡単には治らないらしい。
人間は変化を求めず、現状を維持していくことの方が安心でいられるという。確かに今の自分のままでいることは楽なことだ。ただ、それでいいのだろうか。
「私は、背筋を伸ばす。」背筋を伸ばすことも自動的に「伸びる」ものではない。日々意識をし、背筋を「伸ばし」て、自分の習慣を変えていかなければならないものだ。
仕事でも同じことが言えるのではないか。価値ある仕事をするためには、当然「私」が主語であり、日々意識をし、単なる「現象」ではない自分の「動作」にして自分の習慣を変えてゆく。それをし続けることが、価値を生みだしていく糧になるのではないだろうか。
OBT協会 小野尊子