OBT 人財マガジン

2008.03.12 : VOL41 UPDATED

OBTカフェ

  • 価値の考察

    目的や物事の意味を"自分自身"の中で明確に持っている人間は強い。
    たとえ周囲の状況が変貌したり、意図しない方向に傾いた環境でも、自分自身というものが分かっている人間は、その状況に振り回されることなく目的を成さんとする。もしくはその変貌や環境をも何とか利用していこうとする。そして、その事が出来ている人間の行動や発言にはブレや迷いがない。

    先日、弊社で「異業種交流と自分自身の仕事に対する再考察」をテーマとした、女性人事担当者の方対象のセミナーを開催した。あらゆる業種で様々にご活躍されている女性のインタビューを上映し、そこから自分自身の価値観を照らし合わせて考察するという企画である。

    インタビューに上映された女性はもちろん、受講者の皆様もまた、日々懸命に仕事に向き合っていらっしゃる溌剌とされた方々であり、自身の仕事観について盛んな意見交換をすることが出来た。例えば、

    "仕事とは、"という質問に対して・・・
    ・自己成長の場
    ・社会との接点を持てる居場所
    ・趣味の延長上
    ・エネルギーを使う場所であり、また生まれる場所

    というような答えが速球で返ってくる。漠然とした投げ掛けであっても、そこに明確な解答を持ち、そのことに対して様々な価値を見出し、自ら掴み取ろうとしている姿が窺える。

    仕事であっても、これが人生という括りであったとしても、その物事の"何に価値を置くのか"ということは、誰かに強制されるべきものではなく自分の中に内在するものである。また、その内在するものを確立させていくのは、自分以外の何者でもない。

    私は、この企画に携わり、改めて、"自己を管理する"ことの大切さを痛感している。
    自己を管理するためには、物事を深く考え、自分の中で理解することが不可欠だ。そのことから目的・意味が生まれ、自らの行動に変わっていく。

    ただただ漠然と目の前の仕事に追われる日々ではなく、その目的・意味を自身の中で、明確にする上で毎日を過ごさなくては結果として、何も得るものがない。

    またそのことは、組織体においても同様に言えることであると思う。

    企業理念の言葉が会社案内のパンフレットに記載された、形骸化されたものではなく、トップの役員から、パート社員・アルバイトの方まで、各々自身が己の事として噛み砕き、それが主体的な行動として反映された時、その組織の本当の強さが証明されるのではないだろうか。

    OBT協会 坂本晴香