OBT 人財マガジン
2008.02.13 : VOL39 UPDATED
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女性の活躍を考える
漫画"働きマン"に象徴されるように、最近では、"女性"が"働く"ということに注目を置いて、活用しようという風潮が高まってきている。そのことは、少子高齢化・格差社会などと、危機迫る現実社会に、性の垣根を越えた「人財の必要性」が考えられる。
ここで考えなくてはならないのは、性別云々ではなく、組織を形成する者同士が、協力しあって「企業の活性」を図ろうとするためになすべき対応として、女性の活用を捉えているかということである。
平成15年の経済産業省の調べによると・・・
① 女性比率の高い企業は利益率が高い
② 女性比率の変動と利益率の変動の関係性は必ずしも比例関係にはない
という2点の分析結果が出た。
つまり、女性比率が高いことが企業の活性に直結する要素ではなく、活性の要因は何らかの企業の特性があると考えられる。女性が活躍できる風土を持たない企業が単に女性比率を高めても利益率を上げることはできないのだ。例えば、人と人が家族形成を行う中で子孫繁栄を考えたときに、女性には出産という神聖なる役割を担っている。このことは、絶対的条件として変わりようのない事実である。しかし、その事実と、各個人の能力というのは、全く別次元の問題であり、この変わりようのない事実に、当事者と企業側がどのように向き合うかということなどが重要ではないだろうか?
個人の能力やモチベーションを、企業活性の根源とするならば、企業側は、いかにしてその能力を向上出来る土壌を形成し、リターンとなる成果物を見越して協力体制を整えようとするのか。また、当事者が、その状況を活かされていると感謝して捉え、更なるモチベーションアップに繋げようと努力できるか、双方での歩み寄りが大切ではないかと思う。
今後ますます女性の活躍できる環境が整えられていくなかで、生活の糧という括りだけではなく、人が仕事を通じて求めるモノ、価値観・仕事観は多様である。「女性だから・男性だから」と処遇することであったり、「あんな女性にはなれない」と自分自身が固定概念に縛られることなく、働くことから得ようとしているモノを見失わず、自分を築きあげていかなければならないと思う。
私の周りには、自分の確固たる信念を持ち、教育に取り組む女性トレーナーや先輩方、またキャリアモデルとなる女性の生き方を考察出来る有難い環境がある。既婚・未婚に分けることなく、皆、自分の足で立ち、生きていこうをする凛とした姿がある。夫に依存することなく、パートナーとして共に人生を楽しもうというフェアな関係性がある。
私もこのような生き方・生きる道を築くために、日々意義を持って何事にも取り組もうと考える。
OBT協会 坂本晴香