OBT 人財マガジン
2008.01.30 : VOL30 UPDATED
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わかるということ
前回のOBTカフェに引き続き、OBT協会内の勉強合宿第二弾
OBT協会では、『OBT協会は何屋なのか』『自分達のあるべき姿』などの議論や
『観点を高めるための勉強会』などを定期的に開いています。
昨年12月に実施した合宿勉強会では、
①自分の仕事を振り返り、いかに価値を紡ぎだすかを考える。
②自分の強み、弱みを認識し、更なる意識の向上を図る。
③一致団結!!!
を目的に2日間で実施しました。
その中での1セッション
【これからの時代の自分(&OBT)の在り様を考える】にて
OBTの教育では、何か"題材"を通して自分や自社の在り様について考える
ということを行なっています。
私達も今回、ダニエル・ピンク著の『ハイ・コンセプト』を題材に、
これからの時代の自分(&OBT)の在り様について考えました。
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ハイ・コンセプト ~「新しいこと」を考え出す人の時代へ~
ダニエル・ピンクは本の副題を「情報化社会からコンセプチャル社会へ」としており、
答えのない社会を生き抜いていくために、
既成概念にとらわれずに新しい視点から物事を捉え、
新しい意味づけができることが重要だとしています。
今までは情報や知識が優位性を持ち、
分析や処理能力などという「左脳主導思考」が重要視されてきたが、
「豊かさ・アジア・オートメーション」という流れに翻弄される時代の中では、
全体的な思考や新しいものを創造する力、
意味や意義を作り出せる「右脳主導型思考」が重要となってきた。「左脳か・右脳か」という話ではなく、
「左脳主導思考」も不可欠ではあるが、それだけでは不十分な時代へ。
「格差社会」を勝ち抜くためには、ロボットやコンピューターに代替される、
よその国や発展途上国でもできる、また反復性の高い仕事は避け、
イノベーションやクリエイティブ、プロデュースなどの能力が必要となる。
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わかり方の差
『ハイ・コンセプト』を「どう理解したか」
その上で「自分の仕事をどのように変えていくのか」
議論を重ねていきますが、
「どう理解したか」の議論では同じ題材であるにも関わらず、
その「どう理解したのか=何がわかったか」が各人様々です。
これはクライアント企業様の教育の場でも同じなのですが、
人により"わかり方"が違います。
今回は、『ハイ・コンセプト』という著書を題材としていますが、
それが例えば「新聞記事」であっても、また「現実の課題」であっても、
それを「どう理解したのか=わかり方」は各人様々です。
"わかり方の差"は、どこから来るのだろうか?
OBTの合宿勉強会でいえば、
メンバー各人の自分の人生や仕事などに対する思いや考え方の違い、
外部環境の認識の仕方の違いが"わかり方の差"に大きく影響をしていて、
"わかり方の差"により『ハイ・コンセプト』を通して出した
自説としての「自分の仕事をどのように変えていくのか」が違っています。
"わかり方の差"が将来の格差に繋がっているということなのかも知れません。
メンバーの日頃の言動や行動を思い出しながら、
その人の目線や考え方の観点の高さなどに"わかり方"は規定され、
その"わかり方"によってその人の行動や向き合い方が変わってくるのだなと
しみじみと感じました。
答えのない社会を生き抜いていくために、
「格差社会」を勝ち抜くためには、
既成概念にとらわれずに新しい視点から物事を捕らえる"わかり方"、
そこから新たな視点で"自説"を繰り出すことが重要となると理解しました。このことは、現実の仕事という教育の場や
OFF-JTというもう1つの教育の場での"訓練"を繰り返すことにより可能であると思います。
既成概念にとらわれず・・・
自分では自分自身のことは意外にわからないもので、
今回の議論の中でメンバーの自分の"わかり方の差"を理解することにより、
「自分が思う以上に深く理解してはいなかった」
「自分にはない考え方だったが、その見方の方がいいな」
など気づかされたことが多くあります。
悔しいけどそのことをまず受け止めよう・・と密かに自分に言い聞かせました。
OBT協会 伊藤みづほ