OBT 人財マガジン

2007.10.10 : VOL32 UPDATED

OBTカフェ

  • 【言葉の意味】

    顧客主義。この言葉をよく耳にするが、その言葉の意味するところについて、
    果たしてどれほどの企業が真剣に向かい合っているのだろうか。

    -変化に取り残される-

    今月5日、(金融庁から保険金不払いに関する調査報告を命じられた)
    生命保険会社38社の内、24社による調査結果が発表されたが、
    2001年度から5年間分の38社累計の不払いは
    確定しただけで約120万件、その金額は910億円にのぼった。

    その要因の一つに、環境に合わせて変化をしなかった組織風土が
    大きく関係しているのではないだろうか。

    -人間は変化を好まない動物-

    「現状が心地よい」「今は特に困っていない」「機会があるときで良い」
    先日オブザーブした教育の場で、"人間は本来変化を好まない"という
    講師の話があった。

    しかし実際には組織も人も、環境の変化に対応しなければ生き残れない。

    外資、銀行・証券・損保に加え、不動産業界など異質プレーヤーの参入、
    さらに構造的な少子高齢化、ITによる買い手側の豊富な情報量...。

    もはや売り手主導による一方的な商品・サービスの提供は成立しないはず
    なのに、「今まで通りやれば何とかなるだろう」という在り方が、
    市場の変化に対応しきれず、限界に達した結果なのではないだろうか。

    -言葉の意味-

    顧客主義。言葉にすると非常にスマートで魅力的だ。
    しかしそれを実現するために、組織そして所属する社員一人ひとりが
    顧客に対して提供できる価値をどれだけ真剣に考えているだろうか。

    「ブランド」「大手」「伝統」「役職」・・・
    企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する今、
    同じ言葉でもそのイメージは以前と大きく異なってきている。

    今の時代、表層的なキャッチフレーズに安住することは非常に危険である。
    これから先は既存の表現だけにとらわれず、言葉の中に自分たちなりの
    意味を見いだし、そして体現していく姿勢が求められていくのではないだろうか。
                                 
     OBT協会