OBT 人財マガジン
2006.12.12 : VOL13 UPDATED
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「売り手市場」といわれる中で
魅力ある会社とは、誰かが与えてくれるものではない。
WEDGE12月号に、「売り手市場の採用」についての記事が掲載されていました。
記事の中で、"就職バブル"で入社した、2005年入社の新入社員についてこのように触れられています。「入社時に抱いていたイメージとのギャップが大きければ大きいほど、些細なことに挫折感を覚え、あっさり辞めてしまいます。いまの会社より、断った会社のほうがよく見えるからでしょう。しかも、引く手あまたの状態で入社していますから、転職も怖くない。すぐに、どこにでも再就職できると思うようです」
(WEDGE12月号より抜粋)採用難の時代に、どのように「学生を確保するか」「定着を高めるか」は、多くの企業にとって大きな課題となっているのが現実のようです。
ただ、「転職」を考えるのは、社会人経験がまだ浅い20代ばかりではありません。
読売新聞が2005年に調査した「転職・再就職に対する意識の年代格差」によると、転職を「具体的に考えている」「良い条件があれば考えても良い」と答えた人は、
25~29歳:47% 30~34歳:39% 35~39歳:38% 40~44歳:36% となっています。日頃、私たちがお手伝いをさせていただいている企業様でも、研修に参加している管理者・リーダークラスの方が、実は転職を考えていた。ということも度々あります。
景気回復や、団塊世代が大量定年を迎えることもあって、「学生・若手人材の確保」の優先順位が高まる一方ですが、組織を強くするためには、『これから入社する人材』だけでなく『今現在、活躍している人材』にとっても、魅力的な会社でなければいけないのではないでしょうか。そのために大切なことは、「魅力ある会社とは、自分たちの手で創るもの」だと、そこで働く一人ひとりが気付けるかどうかだと、日々研修の現場を見て感じています。
OBT協会 島田 圭子