OBT 人財マガジン
2006.09.26 : VOL8 UPDATED
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採用の現場に立って「求人する」ということ
お客様の採用のお手伝いを通じて日々実感すること - 2
株式会社エル・フォート 入社2年目の海津です。
最近、人事担当者から「採用できない」「スタッフが成長しない」と言う話をよく聞きます。
多くの担当者は「求人媒体が良くない」「今のスタッフが悪い」ということを理由に挙げますが、果たして本当の"原因"はそれだけでしょうか。先日、アパレル関連のお客様から「お店を積極的に運営してくれる店長候補を採用したい」とお話しいただきました。
しかし、現在働いているスタッフの方に求人広告の取材をしたところ、「入社理由」や「仕事のやりがい」を聞いても具体的な解答はなく、「今後もアルバイトの販売スタッフのままで良い」という話で取材は終了してしまいました。このように、多くの担当者は「社員がどのような思いで働いているのか」「自社が今どのような環境であるのか」を理解できないまま、"何となく"優秀な人物像を描き、「採用したい」という結論を出します。
その結果、「質の高い人が取れない」「成長しない」「また辞めていった」という"現象"だけに終始します。求人広告や人材派遣・紹介等は、確かに必要な人材を採用するのに効果的な手段ではありますが、あくまで採用する"手法"にしか過ぎません。入社した後に定着し、戦力として成長するかどうかは企業という土壌によるところがほとんどです。
前回もお伝えしたように、労働人口が減少していく中で、「人材」に関する課題はいっそう重要視されていくのは確実です。
この構造の中で着実に体質を改善していくためには、
「定着しない、成長しない」という表層的な現象だけに固執せず、「なぜ定着しない環境なのか」「なぜ成長できない土壌なのか」と内部に"原因"を見出そうとする姿勢が重要と思います。
株式会社エル・フォート 海津 茂史