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会社を活性化する社内コミュニケーションのあり方
社長の思いが社員に伝わらない。管理職のマネジメント力に不満を感じる。企業の成長と供に起こるこれらの問題は、社内のコミュニケーション不全から起こります。社員のモチベーションを高め、経営の意図を組織の隅々にまで行き渡らせるにはどうすればよいか。PR会社リミテッドの伊藤雄一郎代表取締役に伺いました。
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リミテッド株式会社 (http://www.limited1.jp/)
1995年設立の、日経新聞グループに強いPR支援会社。「顔が見える会社」、「社会と対話する企業」に向けた課題の発見と解決を強みとし、PRや広告宣伝、社内コミュニケーション戦略の構築、実行を手がける。
YUICHIRO ITO
1962年生まれ。86年、日本経済新聞社に入社。記者として半導体、電機、工作機械、貴金属、非鉄、紙などの主要産業の最前線を取材。95年にリミテッド株式会社を設立。菅直人・厚生大臣(当時。現民主党代表代行)のブレーンなども務めた。経済ジャーナリストとしても、テレビ・出版・講演などで活躍し、「年金術」(文春新書)、「金融生き残り戦争」(ダイヤモンド社)、「生保のカラクリ」(講談社)など、これまでに著書25冊を上梓。
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情報発信の上手な経営者は、
自社の特徴を理解している。────PRや広告宣伝活動に成功する企業には、社内コミュニケーションのあり方としても学ぶことが多いのではないかと思います。PRが上手い会社には、共通項があるのでしょうか。
ありますね。例えば経営者のことでいえば、自社や自分の特徴をよく理解しているというのが第一。
────特徴とは、例えばどんなことですか。
良いところも悪いところも、両方を知っているということです。例えば、わが社のこの技術力はどこにも負けない、中国では先駆者だ、当社の製品が一番安い、など。何でもいいんです。業種でも、エリアでも、値段でもいい。社長自身の特徴でいえば、財務は弱いが決断力はある、職人としての技術力はナンバーワンだがマネジメントは苦手、といったことですね。そういうことを、ちゃんと分かっている。これが、共通項の一番だと思います。
分かっているというのは、同業他社に比べた自社のポジションを理解しているということでもあります。マーケティングでいうスワット(SWOT)分析と考え方は同じですが、縦軸と横軸のマトリックスで自社の特徴が把握できているということです。
※スワット分析:SWOT分析。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの観点から、自社の内外環境を分析する手法。
────マトリックスの軸に何を選ぶかということにも、コツはあるのでしょうか。
まずは、いろいろな観点でやってみることですね。商品開発力はどうか、営業力は、人材の層は、など。ただし、分かりやすいことが第一ですから、細かく分析する必要はありません。業界内のポジションを知るという観点で、大雑把な観点を10項目か20項目ざっと挙げてやってみる。そうすると、「ああ、こんなもんだったんだ」という気づきがあるはずです。
そうすると、会社のことが分かりやすくなります。社員にとっても、非常に分かりやすくなる。「会社の強みはこれだから、ここに自信を持ってやっていけばいいんだ」とか、「会社はこっちの方へ向かっているんだ」とか。それらは、会社の個性になりますから、他社との差別化にもなる。
そうなると、今度は目標が立てやすい。経営理念も事業目標もそうですが、「当社はこれを目指すんだ」ということが、明確に打ち出せるわけです。例えば、「売り上げ100億円の達成」でもいいし、「上場を目指す」ということでもいい。「地域一番店を目指す」でも、「北海道でナンバーワン」ということでもいい。目標が立てやすいんですね。なおかつ、数値化や視覚化もしやすい。すると、社員にも分かりやすいので、みんなで一つのものを目指せるということにつながっていくわけです。
────中には、自社の強みを分かっているつもりでも、実は理解できていないという経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうですね。ですから、スワット分析のように客観的な分析が必要です。自分たちの思い込みだけではダメなんですね。「もの造りを手がけているから技術に強い」といったことは経験を述べているだけで、本当にそうかどうかは分からない。逆に、私どもにPRのご相談があったとき、「御社はここが強いのに、なぜいわないんですか」ということもよくあります。「毎日やっていると、当たり前になっちゃって」という話なんですね。
ですから、ときどきは外から刺激を受けることが必要だと思います。PR会社は、そんなことを年中手がけていますから。先日も、ある顧客企業の役員から「目からウロコが落ちました」といわれました(笑)。第三者から見ればすぐ分かる話なのに、当事者たちはまったく分かっていないということは、頻繁にあります。
────一方で、「当社には強みがない」とおっしゃる経営者の方もいらっしゃいます。強みは、どの会社にもあるものなのでしょうか。
日本人は、謙虚だなと思います(笑)。けれども、それではダメでしょうね。良いところがなければ、その会社は存在していないはずです。買ってくれる顧客がいるから存在しているわけで、強みが何もなければ買ってもらえないということだから倒産しますよね。つまり、強みがないということはありえない。気がついてないか、きちんと見てないかのどちらかです。
────目標を立てるには、強みを伸ばすという発想が必要になるのでしょうか。
基本的には、そうですね。もちろん、弱みを補うという観点もあります。自社の特徴を理解するということは、弱みを補う手段を考えるきっかけにもなるんです。例えば、人材が足りないという特徴が明らかになったのであれば、そういう人を必要としているというメッセージを社員に送ることができます。そうすると、「それなら、私がやりたい」など手を挙げる社員がいるかもしれない。
先ほど例に挙げた、技術屋の社長は財務が弱いというのは典型的なパターンですが(笑)、会社には財務担当者は必要なわけです。それを社長ができないのであれば、誰かが補わなくては仕方がない。そこで「私がやります」といったら、社長の参謀になれる。だから、社員が伸びやすいですよね。社員が手を挙げやすい環境になる、とは思いますね。
経営者が情報発信に熱心であること。
基本は、『5W2H + YTT』。PRに成功する企業の二つ目の共通項は、トップが情報発信に熱心だということです。自分が広告塔だということを、社長が自覚している。広告塔ができない人は、経営者としては成立しにくい時代になっていると感じます。これだけメディアが発達し、インターネットで自由に情報発信ができるようになっていますから、黙っていると埋没してしまいます。
────情報発信に熱心な経営者の方々は、具体的にはどんな活動をされるのですか。
自社の特徴や目標を、あらゆる機会を捉えて常にトップが発信しているということです。社外に向けても社内に向けても、紙・WEB・映像・直接などの手段で、「わが社はこれで生きていくんだ」といった話を常にしている。発信していると、社員はそれに応えようとします。「そちらへ向かっていけばいいんだな」ということで、まとまりますよね。団結が強くなって、会社のパワーも強まる。それが黙っていると、「社長は何を考えているんだろう」、「これでいいのだろうか」と、社員は不安になるわけです。そうすると立ち止まってしまって、場合によってはベクトルもバラバラになる。それでは組織のパワーは発揮できません。
────情報発信で心がけるポイントは何でしょうか。
大目標、中目標、小目標をそれぞれ設定することです。数値化、図式化すればなおよし。大目標はビジョンでもいいんですが、例えば、株式上場といった長期的な目標。そのために来期は売り上げをいくら達成しなくてはいけない、ひいては今月こういうお客様を開拓するぞ、というところに落とし込むんですよ。
────そうすると、目標が具体的になりますね。
そういうことです。そこまで落とし込まないと、ダメなんですね。なおかつ、それを数値化・視覚化・図式化して、目に見えるようにすることです。こっちに行くんだよということを分かりやすく指し示すことが、リーダーシップを発揮するということなんですね。
────分かりやすく指し示すということでは、御社のPR支援でも『顔が見える会社』、『社会と対話する企業』というテーマを掲げていらっしゃいます。
何をやっているかが分かる、社長が何を考えているかが分かる会社といってもいいと思います。そのためには、自社の特徴をよく理解して目標を明確にし、常に情報を発信しないといけないということにつながっていくわけですね。
商店に例えると分かりやすいのですが、八百屋さんだったら、『地域1キロ圏内の台所に貢献している』などといえますね。非常に分かりやすい。靴屋さんなら『1キロ圏内の住人の足元に貢献している』と。それが企業になると、分かり難くなってしまう。事業の多角化、社会の複雑化によって、1つの会社でも何をしているのか、どんどん分かりにくくなっているから、自ら情報発信しないと理解してもらえませんよということです。
────『社会の発展に貢献して云々』などと明文化された立派な理念があっても、結局何のことなのかが見えない会社もありますね。
そう。ですから、どこの分野のどういう人たちに、何をすることで貢献するのかと、そこまで具体的にする必要があるんです。
────『5W1H』に似ていますね。
『5W1H』です。さらにつけ加えるなら、『5W2H+YTT』。『2H』とは、『How』と『How much』。『YTT』は、『昨日、今日、明日』です。
────時間軸が入るんですね。
そうです。この考え方は、発信する情報を明確にするためにも必要ですし、誰に情報発信するのかというターゲティングにも有効。『いつ、どこで、誰に、何を、いくらで、なぜやるのか、それは過去どんなものだったのが、今こうすることで、将来こうなるだろう』。これを明確にする必要があるんです。
社員は社長の考えを分からないもの。
これが、コミュニケーションの大前提。────経営者の方の中には、社員が社長の発想のスピードについて来られず、「社員は分かってくれない」とおっしゃる方もいます。一方で、社員にすれば社長の発想の転換が速すぎて、発信されることは朝令暮改にしか見えない。そこには、コミュニケーションのギャップがあるように感じます。
そうでしょうね。私も昔はそういうタイプでしたが(笑)、社員も自分と同じ視点を持っていると思ってしまう。経営者は熱い思いがありますから、そう思いたくなるものなんです(笑)。だから、「どうして社員は分かってくれないの」という話になるんですね。しかし、経営者と社員の間には温度差がある。
つまり、『社員は社長の考えを分からないものだ』ということを前提に考える必要がある。これは、社内コミュニケーションを考えるうえでのキーワードですね。
────少し、寂しいような気もしますが。
いや、それが現実ですよ。他人のことって、分からないものなんですから。日本人はとかく、「何となく、分かるよね」という感覚で物事を進めてしまいがちですが、それが間違いのもと。生まれも育ちも考え方も違うのに、分かるわけがない。社長と社員との関係も同じです。コミュニケーションは、『他人同士は分かり合えない』ということが前提なんです。
では、分かり合えるためにはどうすればいいか。そのための努力が必要なんです。有名なのは、キヤノン代表取締役会長の御手洗氏。あの方はトップダウン型だと思われている方も多いようですが、実はものすごく説得型のコミュニケーションをされる方。例えば、毎朝8時から行う役員会は、議題がなくても開催するそうです。プロ野球の話や株の話など、雑談でもいいと。それでも開催するのはなぜかというと、誰が何を考えているかを常に把握しておきたからだと。食事も社員食堂で取ることがあるとか。若い社員が食べている横に来て、気さくに話しかける。自ら社員の中に飛び込んでいるわけです。
工場の生産方式を、ライン式からセル式に変えたときの逸話もありますね。当初、工場の社員たちは改革には消極的だったそうです。新しいことをやらなくてはいけないわけですからね。そこで御手洗氏がどうされたかというと、一番反対している工場長を最初に説得した。普通は、自分に賛成してくれる人をキーマンだと思いがちですが、実はそうではない。どのみち全体に導入しなくてはいけないわけだから、最初にやったのは一番反対している人を説得することだったんですね。そして、その工場長の工場でライン式とセル式の両方をやらせてみたところ、やはりセル式のほうがよかった。そうしたら、その工場長が一転して最大の賛成派になったんです。そして、ほかの工場を説得して回るようになった。キーマンは、必ずしも自分にペコペコしている人とは限らない。最大の反対派が、場合によっては180度転換することもあるということなんですね。
コミュニケーションの質は量に比例する。
────コミュニケーションの質は、量に比例するということでしょうか。
比例はします。手間ひまをかけるようにしないと、社内のコミュニケーションに空白ができてしまう。シロアリが柱を食べてしまうように知らないうちにポッカリと空いていて、何か一撃をくらうと倒れてしまうといったことがあると思います。例えば、メールは効率がいいように見えますが、相手は読んでいないと思ったほうがいい。仮に読んでいたところで、受け取り方はみんな違います。社員集会で全員を相手にいったとしても、聞いている人と聞いてない人がいる(笑)。
────聞いていない人はいるかもしれませんね(笑)。
そう。御手洗会長のように工場ごとに個別に話をするなど、非常にマメであることが大切なんです。『顔が見える会社』というのは、社員にとっても顔が見える位置でトップが話してくれる会社ということ。遠くのほうで、よく見えないけど何かしゃべってるというのではだめ。トップから社員に近づいていって、本当に見える距離で話して初めて伝わるということです。
先ほど、ターゲティングの話もしましたが、顔が見える距離で伝えるには相手を絞る必要があります。伝えることも絞らなくてはいけない。逆に言うと、八方美人は失敗しますよということですね。そして、欲張ってもいけない。十のことを言って一つ伝わればよし。そんなものなんです。全員にすべてを分かってもらおうとはしないことですね。
そして、同じコンセプトや情報を繰り返し発信すること。これは政治家の選挙活動でよくいわれることなんですが、その候補者に有権者が5回触れて、初めて投票してもらえる。5回というのは、ポスターやテレビの政見放送、宣伝カーの演説、握手などですね。だから、うるさいと言われるくらいに選挙区を回るんですよ。
広告業界にも、「AIDMA(アイドマ)の法則」というものがありましてね。消費者が商品やサービスに興味を持ってから購入するまでには、5つの段階があるという理論です。5つとはAttention(注意)、Interest(関心)、 Desire(欲求)、 Memory(記憶)、 Action(行動)。ものを買うにも5つのステップが必要。社員に分かってもらうには、1回や2回のコミュニケーションでは無理だということです。
────そうした努力の結果、社長の考えを理解して、社長の分身となる方が社内に生まれてくると、経営も楽になりそうですね。
そう。社長の意思が組織に伝わりやすくなりますね。ただし、それまでが大変。選挙活動ではないですが、死に物狂いでやらないとダメでしょうね。
社内コミュニケーションがうまく取れない社長の共通項。
────社内コミュニケーションを成功させるポイントについてお伺いしてきましたが、うまくいかないケースにも共通項はあるのでしょうか。
ありますね。原因は社長にあります。1.独りよがり。2.表現力がない。3.視野が狭い。うまくいかないのはたいてい、この3つが原因です。
────視野が狭いというのは、どんな状態なんですか。
自分の視点でしか見ていないということですね。例えば、社長が年配の男性だとすると、若い女性社員の視点を分かろうとしないとかね。同じように理解しろとはいいませんが、せめて共感するなどの姿勢は必要です。
────表現力は、どうすれば磨けるのでしょうか。
これは、練習でしょう。量をこなせば、質は自然に向上します。表現のプロになるわけではありませんから、自分らしさが伝わればいいんです。話す内容も難しいことである必要はなくて、今日散歩していたらどうだったとか、そういう話でもまったく構わない。そうすると、社員も社長に親近感が持てます。ポイントは、たくさん情報発信することです。ただし、誤解してはいけないのは、言葉がたくさん必要かというとそういうことではない。営業マンによくある話ですが、口下手な人の方が、売り上げがよかったりしますね。あれはなぜかというと、少ない言葉の中に説得力のある言葉が入っているからです。意味のない事を並べたてるだけの多弁な人は、何が本当の事か分からなくなって信用を失ってしまいます。
────確かに、話に形容詞が多い方などはいらっしゃいますね。
そう。ほとんどが引用だとか、あなた自身の言葉はどこにあるのか、と疑問に思うタイプ。無口な人は、一言が重いですね。もちろん、これらはその人の個性で構わないんですが、上手に話そうとか、多弁にならなくてはとか、そういったことは必ずしも必要ではないということです。
────自身の表現力の問題を指摘してくれる第三者が、身近に必要かもしれないですね。
そう。ですから、例えば米国の大統領にはスピーチライターがついていますね。報道官もいる。大統領になるほどの人でも、あれだけの広報のプロが支えている。経営者にも広報のプロを使うことをお勧めしたいですね。ぜひ、われわれPR会社を使ってください(笑)。社内報の制作などの具体的な広報業務も手がけますが、アドバイスだけでもいいんです。最初にもお話ししたように、自社の特徴や自身のコミュニケーションスタイルの問題点というのは、案外自分では分からないもの。外部の客観的な目は必要なんですね。
裸になって向き合う。心から褒める。
人を動かすのは、人の心である。────社内広報の手法にも、イントラネットを利用する、Eメールを配信するなどさまざまな方法がありますが、伝達方法の選び方にもポイントはあるのでしょうか。
何を伝えるのかというテーマや、その会社の体質によりますね。IT企業はインターネット中心でしょうし、メーカーの工場ならインターネットよりも一升瓶持って車座のほうがいいでしょう、とかね。逆に、IT企業の若い社員あたりは、そういうコミュニケーションに飢えているところもありますしね。
────直接のコミュニケーションに飢えているということですか。
そう。だから、かえって新鮮なんですよ。そこから思うのは、自分の裸を見せないと相手は信用してくれないということ。極端な話でいえば、社員旅行は今は減りましたが、裸で風呂に一緒に入らないと。本当に裸の付き合いをしないと、「よし、お前のためにやってやろう」とはいってくれません。社員にそこまで求めるのかという話もあるでしょうが(笑)、お金や地位だけではない、ハートの部分をつかんでいる必要は絶対にある。給料だけのつながりは、給料が払えなくなったら切れます。尊敬であってもいいし、親しみやすさでも何でもいい。手段は人それぞれでいいんですが、経営者というものは社員をひきつけられるような魅力を備えておく必要があると思います。
────心が大切なんですね。
そう。それから、褒めるということも大切です。旧海軍の名将・山本五十六の格言に、「やってみせて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず」というものがありますね。「これをやれ」といっても、人は動かない。いったうえで、「こうやってごらん」とやらせてみて、うまくできたら褒めてあげる。「おお、よくやったな」と。そうすると、やっと自分で動き始める。こうした段階が必要なんです。
────忍耐がいりますね。
ものすごくいりますよ。「それじゃ、ダメだよ」といったら、そこでもうお終いになってしまいます。褒めるのは、成果でなくてもいいんです。頑張った姿勢やチャレンジしようとしたことを褒めてあげるとかね。褒められて嫌がる人はいませんから。
────自社の目標や方向性を分かりやすく社員に伝える一方で、やらせて見せて、褒めるということが必要なんですね。
そうすると、内面に前向きな姿勢が出ます。そうなれば、社員というのは放っておいても走っていきますから。それが、モチベーションが高まるということでしょう。
────中には、経営理念やミッションステートメントを印刷して社員に配り、強制的に暗唱させるという方法で、周知を徹底する会社もあります。
例えば、アルバイト社員を即席で育てないといけないなど、場合によっては上から強制的に落とすやり方も効果的だと思います。しかし、それはモチベーションを高める情報発信ではないですね。モチベーションというのは、人の内面から沸きあがってくるもの。外から圧力をかけてもダメなんですよ。内面にあるものに火をつけてあげるコミュニケーション。これが大切なんです。
────ありがとうございました。