― 夜チェックインして、朝出るだけだから、
「ぐっすり眠れること」が最も重要で、それ以外余計なモノはいらない ―
皆様はビジネスホテルを探す際、この様な事を考えていたでしょうか。
顧客満足度二年連続No.1を獲得したスーパーホテル、
山本会長のインタビューを読むと、
"顧客自身が気づいていない"
"顧客にとっての"満足度と生産性
(どうすることが満足できて、どうすることが生産的なのか)
を具現化したことに、同社の優位性がある様に思えます。
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私の住む街は小売サービス業問わず入替わりが激しいのですが、
撤退する大手ショップをしり目に、繁盛し続ける洋服店があります。
顧客の目当ては店長自ら仕入れる、一点モノの商品。
売れ筋ではなく、リピーター1人1人の顔を思い浮かべ、
「今まで着たことないだろうけどトライして欲しい」
"想定外"の商品のみを仕入れてきます。
大手アパレルショップに勤めていた時代に売り手都合の
販売スタイルに疑問を抱き、独立して10年、
「同じ服を着ている人とすれ違うと嫌だ」
「ファッション雑誌の"今年のトレンド"には飽き飽き」
「いつも同じ服を買ってしまう」
という顧客の隠れた心理をつき続け、
今では週末になると全国からファンが集まります。
働き盛りの20代~40代がコア層の為、開店は夜7時。
「口コミが何よりの信頼」という手ごたえから、広告も打たず、HPすら持たない。
在庫を大量に抱えない為、店舗の広さはマンションの一室程度。
仕入れ-陳列-接客、という基本的なプロセスに経営資源を投入し、
無駄なことは一切しない。
その分、商品の価格を落とし、
顧客が"想定外"の商品にトライしてくれるハードルを下げる。
それがまた、顧客の"見えない"満足度をくすぐる・・・
という好循環が続いた結果、ファンがファンを呼び、高い業績を維持しています。
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現代のユーザーはとかく、目が肥え、売り手以上にものごとを知っています。
でも、あらゆることを一通り見聞きし、経験しているからこそ、
そこには不満が生じているはずです。
顧客満足と生産性の向上の両立―
その実現のためには、
「御客様にとってはどうすることが満足で、どうすることが生産的なのか」
ということをプロとしてサジェスチョンできる能力が
必要になるのではないでしょうか。