ついつい画面に、くぎ付けになってしまった。
宮城県 石巻市 谷川浜
日本大震災で壊滅的な打撃を受けた漁場のドキュメント。
目を奪われたのは荒廃した街の姿よりも、
全てを奪い去った海に一刻も早く出ようとする漁師たちのエネルギーに満ちた顔である。
覚悟を決め、自分の身に起こった運命を受け入れて、悟りを開いた人間の顔。
漁師は卓を囲んで毎晩どうしたら漁に出られるかを話し合う。
「政府が何かしてくれることを待っていたら、我々の何もかもが全部終わってしまう」
「とにかく自分たちで、できることからでもやっていかないと」
「奪われたものを、取り返しにいかないと」
真剣に今を生きる姿勢に我が身を振り返り、恥ずかしさを感じると共に、
日々の仕事を通じて思うことがある。
それは、多くの企業人は様々な課題を感じることはできても、
大半は「具体的な行動には移していない」ということ。
「会社的にはまだ、そこまでいっていないから」
「タイミングが来たら、動けるようにしておく」
しかし、いつになったら"その時"が来るのか。
そもそも"その時"が来る保証はどこにもない。
「待っていたら状況は良くなる」「会社が手を差し伸べてくれる」
という幻想を捨てて、今できることから、とにかく自分で、自分たちで動いて、
現状を変えていくしかない。
災害に見舞われた方々の、現状を切り開いていく人としての強さや逞しさから学ぶことで、
日々の生活や仕事で抱える問題の打開策も見えてくるのではないだろうか。