2011年10月アーカイブ

2011年10月5日、
アップルの創業者であり、経営者としてもカリスマであった
スティーブ・ジョブズの訃報が報じられました。

ジョブズは世界でもっともイノベーティブな企業アップル社の経営者であり、
彼が2005年に、米国スタンフォードの卒業生に贈った言葉
「Stay hungry , stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ。)」は、
最近再び話題になっています。

ジョブズの言葉は一体どういう意味でしょう。

アップルの製品から見てみると、
例えば2005年1月から販売されたオーディオプレーヤーiPod shuffle第1世代は、
他のiPodと違い、液晶画面のないデザインでした。
液晶画面をなくしたことで、
おしゃれなデザインができ、なお且つ
競合他社の同等製品と比べると安くなります。

さらにプレーヤーの画面をなくすということは
それまで想像できなかったアイデアです。

つまり固定観念を捨てることが、
新しい発見に繋がるのだということだと思います。

そのほか、アップルではMac OS X、MacBook、iPod、iPhone、iPad...と
イノベーティブな商品を次々世に送り出せています。
まだ売れるものをわざわざ新しく作り直して売っているのです。

今回この人に聞くでお話をお伺いした
ブックオフコーポレーション株式会社の橋本様も、
現状に満足することなく、
常に顧客にとってもっと便利・必要なサービス考えています。

ジョブズのその言葉の意味はすなわち、
これまでの成功に満足せずに、常にいろんなことに関心を持って、
これからの成功を求めようということだと思います。


なんとなく楽しい。なんとなくワクワクしてしまう。
これはハードでなく、人という現場力の差ではないでしょうか。


この三連休、読書の秋ということで、いくつかの書店を回ってきました。
最寄りの駅の徒歩圏内に、大きな書店が3店舗、そしてブックオフが1店舗あります。

普段は仕事の移動や帰宅途中に平積みの本をチェックする程度なのですが、
三連休ということで時間もあり、各書店のカテゴリー毎に分かれた書棚を梯子していました。

ブックオフでは、
店員さんのお薦め本のコーナーに以前読もうと思い忘れていた本を見つけたり、
普段は読まない本につい手を伸ばしたり、
最近、定価で買った本をいくつか見つけ、その価格を見てがっかりしたり、
連休特別割引で、さらに半額になった何列もの書棚をワクワクしながら確認し、
予定外の雑誌や本を購入してきました。

かごに積まれたワンコインの本など展示の仕方やPOP、
価格の安さや発見はブックオフでのワクワク感のひとつですが、
入口近くの買い取りカウンターの人だかり、
同じようにじっくり本を探している来店客の多さ、
買い取り手続き終了の呼び出しのアナウンスや
「いらない本は是非、お譲りください」の明るい声など
お店に入ってから、出るまでの活気のある空気も含めて、
なんとなく楽しい気分にさせてくれます。


百貨店の売上がピーク時(1991年)の9兆7,130億円から、
2010年は6兆2,921億円と約2/3に減少する中で、
通信販売の売上はこの10年間で約2倍に増加。

CD販売額はピーク時(1998年)の4,092億円から、2010年は2,220億円と半減する中、
有料音楽配信の売上はサービス開始から5年間で2倍以上の860億円に。

業界内も大きく変化しており、
例えば、ネットスーパーでは配送料の壁はどんどん低くなり、
また配送受付時間や時間指定なども対応が柔軟になってきています。

一例ではありますが、これだけを見ても
モノやサービスの提供の仕方や仕組みが大きく変化をしてきていることがわかります。
提供の仕組みというハード面はさらに進化し、
業種だけでなく、業態の垣根もなくなりつつあります。

利便性や早さを多くの人は求め、これらはハードによって提供できますが、
「なんとなくワクワクする」「いい買い物ができた」などの満足感は人が介在すること、
つまり顧客と接する現場の人達によって提供されるものだと思います。

企業は、ヒト、モノ、カネ、情報...など多様な資源を組織化し、事業活動を行っています。
その中でも、"ヒト"は、他の資源と異なり、その"ヒト"のヤル気や意思しだいで、
提供される質が大きく異なるという性質を持っています。

「現場が主役」「現場力が大事」と多くの企業では言っていますが、
結果的に現場に活気や活力がなくなってしまっている企業が多いのも事実です。

規模が拡大しても「現場が主役」という姿勢を貫き、業績に繋げていく
ブックオフコーポレーション橋本会長のお話の中に、
今一度、自社を見つめ直すヒントがあるように思います。


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