2011年8月アーカイブ

今回の「この人に聞く」で伺ったシヤチハタ株式会社のお話をきっかけに、
印鑑について調べてみました。

印鑑は江戸時代初期に庶民の間に普及してきたそうです。
当時は自分の名前すら書けない人が多かったため、
誰かに名前を代筆してもらい、そこに印鑑を押していました。
つまり印鑑の意味は、印影を押した本人の意思を表すものだそうです。

印鑑という文化については、台湾にもあります。
日本と同じで公的文書の承認から荷物の受け取りに至るまで、
印鑑が必要になります。

しかし、台湾にいた時に、こういうエピソードを聞いたことがあります。
台湾では通常郵便局に郵便物を受け取りに行く際には、
身分証明証と印鑑ともに必要となります。
ある方は身分証明証を持ち合わせていましたが、
印鑑を忘れてしまい、"本人確認できない"と受け取りを断られたそうです。
※都会では身分証とサインでもOKですが、田舎に行くと身分証と印鑑が必須となっています。

こういった昔からのやり方は、意味があるのでしょうか。

印鑑には、識字率の低さの補助という理由がありました。
しかし、今は成人で名前をかけない人はいませんし、
身分を証明するものもあります。
例えば、前述の郵便局の場合は、写真付きの身分証明を見せており、
本人であることを証明できているはずです。

必要なことは、本人が確認できることで、
それを達成する手段が、サインをしたり、身分証明証を見せたりしでもよいのでしょう。

ここから考えられることは、
今までの習慣で目的を考えずに、
そのまま続けていくことが本当によいのかをもう一度考えてみるのもいいかもしれません。


『節電、節電』と騒がれて早5ケ月、巷ではこの夏を乗り切るために、と様々な
昔ながらの知恵が見直されている。

そんな中、ある記事を目にした。
NPO法人「おばあちゃんの知恵袋の会」という団体である。
そこでは、古くから伝わる日本人の知恵を継承・伝承し、健康、掃除、料理、食育、
遊びなど、おばあちゃんの知恵のイベントや研究会を催しているという。

それは、遠い昔一度は目にしたことがある・使ったことがあるもの、
聞いたことがあるもの、また、全く聞いたことがないが"なるほど"っと
思える知恵が数多くある。

例えば、土鍋。
煮物で使う、また、ご飯を炊く際に使うなど保温力が高いので、調理の際、
使うガスも少なく、いったん温まるとなかなか冷えないため、
途中で火を止めて余熱で調理ができるという。
また、使い捨てカイロは中身をびんや箱に入れ、蓋を開けて冷蔵庫に入れると
脱臭剤として使える。

他にも、まだまだある。しかし、なぜ、こんな素晴らしい知恵が
現代では薄れてきてしまっているのだろうか...。

確かに、こういった知恵の中には、元々ある物に一手間加え、
新たな(別な)使い方をするものや、アナログなものが多くある。
その為、その一手間の時間が惜しく、忙しい現代人は完成品を
ついつい購入してしまう。という気持ちはよく分かる。

しかし、完成品からは何も学べない。
使って終わり。である。

今回の節電は、忘れ去られし"日本の生活の知恵"を学ぶ、そして、
知恵を身につけるいい機会なのかもしれない。

また、今後の生活を考えなおす時期に来ているのだと考えずにはいられない。


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