2011年2月アーカイブ

名門・ハーバード大学の学生を熱狂させた伝説の授業に、ポジティブ心理学をテーマ
にした"幸せ"を学ぶ授業があったという。最近、日本でもその内容が翻訳され、話題
となった。この授業、「よりよく生きる」ことに焦点を当てたもので、幸運を呼び込むた
めの52のアクションプランを提案している。

たとえば、「感謝をする」。感謝の気持ちを持ち、人生を肯定的に考えると、幸福感が
高まり、心身ともに健康になれるのだそうだ。毎日1、2分でいい。「感謝」は、各界の
成功者がよく口にするフレーズだけに、この逸話は説得力がある。

ほかには「完璧主義を手放す」といったエピソードも。失敗は成功するための欠かせ
ない要素だと理解し、受け入れることとで、人生が満たされたものに変わるという。
「失敗したらどうしよう」という不安や、「こうすればよかった」という後悔の念ばかりを
抱くことは、幸せな人生には無用のようだ。

なるほど、と思ったのが「困難に学ぶ」という話。失敗を恐れて挑戦を避けていると、
「自分は困難に対処できない」という意識がすりこまれ、自尊心が失われていってし
まうのだとか。困難に立ち向かい続けることで「失敗にも負けない」という自信が芽
生え、タフなハートが育まれる。

アメリカで行われたある研究によると、成功者の多くは"前向きな気持ちで新しいこ
とに挑戦できる人"であるという統計が出ているそうだ。成功の最大の要因は「勤勉」
ではなく、「楽しむ気持ち」にあったという。

ある方が言っていた。「船は大海原へ繰り出すために造られている」と。人生はしば
しば航海に例えられるが、安全だから、といつまでも港に停泊していたのでは、充実
感もなく、得ることもない。いずれ老朽化する船ならば、楽しみながら"挑戦"という航
海に出たいものである。


"言霊"については、これまでも思うことを何度か書いたと記憶する。良いことばを

口にするとよいことが起き、悪いことばを口にするとそのとおりになる――古くから、

日本では、ことばには魂が宿るといわれてきた。これまで、"言霊"と聞くと、なにか

スピリチュアルなものを想像していたのだが、最近になって、それだけではないのかも、

と思うようになった。


たとえば、前向きな言葉は幸せを招くというが、「ありがとう」ということばを自然と口に

できる人はどんな人だろうか。まわりに対して感謝の念を持ち、それを素直に表現できる人に

違いない。普段から謙虚な姿勢で周囲に気遣いを見せる人が、この人がなにか困った様子

でいれば、今度は自分がその人のために協力をしてあげたいと思うのが人の常である。

逆もまた然りであろう。最近はサッカーのアジアカップで日本中を大いにわかせたが、目標に

向かって全力で頑張っている姿は人を感動させる。頑張ってほしいと、応援したくなるものだ。


 ことばに宿る魂があるとすれば、それは、ことばそのものが持つ力ではなく、そのことばを

発した者の魂なのではないだろうか。「ありがとう」という感謝の気持ち、「頑張ろう」という

気合い――"意識"を強く持ち、"行動"という形で示すことで、はじめて、別の誰かの気持ちを

突き動かすことができるのである。前向きなことばとは、善循環の一部。それが結果的に、

成功へとつながっていく。


 少し前に「レコーディングダイエット」というものが話題を集めた。「食事や間食の内容を毎日

記録するだけでダイエットに成功する!」というまるで夢のような減量方法なのでだが

、からくりは、「記録をすることで摂取カロリーを自覚し、食生活の見直しを促す」というところに

あるらしい。魔法のダイエットではなく、つまりは"意識"の改革なのだ。

「食事内容を記録する"だけ"」でダイエットがうまくいくはずがないように、「よいことばを口に

する"だけ"」で物事がうまくいくほど、世の中甘くはないのである。

まずは、強い"意識"――魂を持ち、本気で行動に移すところから始めてみたい。

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