2010年3月アーカイブ

「高い食材を使えば、旨い料理ができるのは当たり前。
手間をかければ、安い食材だって旨くなる」
ある料理人の方がそんなことをおっしゃっていたが、人財教育と料理は似ている。
優秀な人財をたくさん雇いたい、というのが企業の本音なのだろうが、人財の獲得は

他企業との競争になってきている。
思うような人が集まらない、と頭を悩ませているところもあるかもしれないが、
"ない"のであれば、"育て"ればいい。

 

前述の料理人の方は、「フカヒレ」を自分で作る、と意気込んでいた。
「漁師さんからフカヒレがたくさん余っている、という話を聞いたんですよ。
生の状態で仕入れるので安く手に入るのですが、『下処理が面倒』と、誰も買おうと

しないみたいで」手間をかけるのはタダ、と一から手作りに挑戦し始めた。


生のフカヒレをボイルし、歯ブラシで丁寧に洗い、天日干し。
決して楽な作業ではない。
「フカヒレを使った料理が手ごろな価格で食べられたら、お客様は嬉しいですよね。
たとえ1日5食しか提供できないメニューであったとしても、この作業を面倒だとは

まったく思いません」

 

そういえば、別のシェフも以前こんなことをおっしゃっていた。
「手間や時間が作り出す味っていうのがあるんですよ。右から左で、サッとは作り

出せない味というのが」


お店の名物はタンシチュー。
塊のままじっくり煮込んだタンは、まさにとろけるような食感だ。
「小さく切れば煮込む時間は短く澄む。
でも、それだと角がピンと立った美しい切り口や、なめらかな食感は失われて

しまうんです」
たとえ最高級の食材使ったとしても、手間を省いてしまっては、
きっとこの店の味や食感にはならないのだろうと思う。

 

食材はもちろん、いいに越したことはないが、
いい素材を使っても、調理法や味付けを間違えれば、旨い料理は完成しない。
人もきっと同じこと。


――手間を惜しんでいては、人は育たない
どれだけ丁寧に仕込み、素材の味を生かした調味を施すことによって、
完成する料理の味も変わってくる、というものだ。

人気雑誌の休刊、老舗出版社の倒産など、出版不況が続いている。
その要因には、"消費者の読者離れ"など起因しているとも言われているが、
一番はやはり"広告収入の減少"、これに尽きるだろう。
限られた広告予算を有効に使いたい、というのが企業の本音。
「反響がダイレクトに伝わるから」との理由で
インターネットに限り、出稿をしているという中小企業も少なくない。
ネットやテレビに比べて、紙媒体の出稿は兎角敬遠されがちだ。

 

しかし、「○○の雑誌に出たらすごい反響で」という、飲食店経営者の声が

多いというのもまた事実。
某有名雑誌の「占い特集」の号には、通常よりも多くの占い広告が掲載

されていたりする。
毎回これだけの広告収入があれば、出版業界も安泰だろうに......。

 

最近では、「ニッチなメディアに特化した広告代理店」というのも存在するらしい。
テレビや新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアを使わなくても
会報誌やクレジットカードの請求書などと一緒にチラシ広告を同封し、
驚くほどの宣伝効果を発揮した、という事例も多いという。

 

予算の都合はもちろんあるのだろうが、
要は「どこに出すか」ではなく、「誰に向けて出すか」ということ。
ターゲットをしぼって広告を打つことで、より効率的に集客をすることが

できるということだ。
自分たちのサービスを、どんな人たちが本当に必要としているのか、

ということを理解していれば、自ずと有効な媒体がなにかが見えてくるに違いない。

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