2009年9月アーカイブ

最近読んだ日経ビジネスに、とてもおもしろい記事が掲載されていた。
それは、「めんどくさい」と感じる人が増えてきているらしい。

食べることがめんどくさい、出かけるのがめんどくさい、人と話すのがめんどくさい、
恋愛するのがめんどくさい、お風呂に入るのがめんどくさい、、、、なんかめんどくさい

何でも「めんどくさい」のだ。

 

意識したことはないが、振り返ってみてみると私もよく使っている。
1日の行動の中で、髪の毛をかわかすのがめんどくさい、朝起きるのがめんどくさい、

洗濯物をしまうのがめんどくさい、、、など数えきれないほどの「めんどくさい」が出てきそうである。

 

このような現象は、特に先進国で起きているようだ。

イタリアやスペインのような情熱の国でも、女性をくどくより、家でテレビを見ている方がいい。

すなわち、女性をくどくのはめんどくさい、と思う人が出てきているようだ。

 

もし、世の中の全員が「めんどくさい」と感じ、何もしなくなったら、社会はどうなってしまうのか。

成り立つわけがない。

 

「めんどくさい」人口が増えている一方、その「めんどくさい」をビジネスとして考える・展開している企業がある。

1つに、コンビニである。コンビニは実に便利で、欲しいと思ったものはある程度買える。
携帯電話や電気代などの請求書の支払いもできる。なんてったって、

24時間営業というのがうれしい。

最近ではデリバリーまでも導入されている。
このような便利なサービスを提供することができる裏には、私たちが持つ潜在ニーズを

いち早くキャッチし商品化までを考え続けている人がいるおかげである。

 

もう1つに、ネットである。

「めんどくさい」から部屋から出なくても、ネットを通じて色々な情報収集ができ、エンターテイメントもある。

私も1日中ネットをしていた時期があり、あっという間に時間が過ぎてしまうぐらい、熱中して見入ってしまう。

しかし、やはりその裏では、様々なシステムを構築してくれる企業・人がいたり、

一人一人の潜在ニーズから創出されるアイディアが、後に私たちの生活をより便利にしてくれているのだ。

 

「めんどくさい」が見過ごされていないからこそ、この便利な社会が成り立っているのではないだろうか・・・

誰でも自分が好きなこと関しては、どんなに忙しくてもそのために時間を作り、自分への投資を怠らない。


まず、自分が好きなことに対して、「めんどくさい」という感情を抱くことはないだろう。

 

しかし、好きでないことに関しては、どうも自発的には動けない。
言われるがままの受動態になってしまう。

 

企業の中で言うのであれば、「めんどくさい」からと言って依頼された分だけ、

又は他の部署へ、他の人へとアウトソーシングすると自分は楽になるかもしれない。
しかし、そこで失われるものがあるということに気付いているだろうか。

 

それは、アウトソーシングしたことによって、自分自身への力や、学習能力、

知識・知恵が失われるということである。

目先のことだけを考えていると、後で大きな打撃を受けることになる。
日々の「めんどくさい」と思う仕事にこそ価値があり、

将来的に自分自身にとって大きなものになるかもしれない。

 

だからまずは、「めんどくさい」と思わずに取組み、なぜやらなくてはならないのかを考え、
常にその先にある"何か"を意識して行動しなくては、成長も進化もしないのではないだろうか。

 

リスクを避けていると、何も得ることができないのだ。

先日、何気なくテレビを見ていると、とても可愛らしいパンダが目に飛び込んできた。

その愛くるしさに惹かれ番組を見ていると徐々にそのドキュメントの主旨が見えてきた。

 

2008年5月12日に四川省を襲った大地震

 

震源地に近い場所に位置していたジャイアントパンダの保護地区は激しい被害に遭い、

パンダたちも身体と心に深い傷を負っていた。

大地震から1年強が経過し、その後の彼らを知る手立てとして

このドキュメントが日本でも放送されていた。

 

24時間体制でそのパンダたちを世話する保護研究センターの人々。
彼らは夜中まで巡回し、常にパンダの様子に異変がないか最新の注意を払っている。

 

日々のパンダたちとのかかわりの中でふさぎこんでいる様子や小さな行動の変化にも気付き

そのたびに働きかけ、コミュニケーションをはかる。
そうして、パンダと人間の間には信頼関係と絆ができていた。

 

パンダの専門家であるセンターの人々は、本当にどんな小さな変化にも気付き、
手を差し伸べるべき瞬間、少し遠くから見守るべき時を都度判断し

パンダの自己治癒力を徐々に高めていくかかわり合いを築いているように見えた。

 

単に彼らの生態に詳しいということだけでなく「もっと元気になって欲しい」という

センターの人々の思いが結果的に信頼関係と絆となって現れているのだろう。

 

相手のことをより良く知ること、そして、「こうあってほしい」という思いを持って関わり続けること。
ここから、より深い関係と信頼、安心、絆が生まれてくる。


企業経営においても然り、マネジメント等どんな関係の中でもこの法則は変わらないのだろう。

 

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