2009年7月アーカイブ

 

学生の頃、私はバレーボールに明け暮れていた。

毎日トレーニングをしてゲームをこなすと、自然に腕や足には筋肉がついてくる。
ジャンプ力がついたり、少しサーブに威力がついたり・・・
自分自身が変化していく事、できなかった事が出来るようになる事がとても嬉しくて、達成感に繋がっていた。

上手くいかない時も、「きっとうまくいく」と自分を励まし早朝練習や居残り練習をしていたことを思い出す。

 

・・・残念ながら、あの頃の筋肉も今では見る影もなく、またあの頃に戻ろうと考えた日には気が遠くなってしまう・・・

 

ところで、筋肉がつくとはどういうことなのだろうか。

 

ご存知の方も多いかもしれないが、筋肉(筋繊維)はトレーニングによって傷がつき
個人差はあるものの大抵は2~3日で修復していく。
そしてまた、筋肉が修復している間にトレーニングを重ねると、筋肉は肥大していく。

 

傷ついた筋繊維が肥大し、繰り返すことで更に強くなる・・・よく考えると不思議でもある。
傷が回復すると、ゼロベースになるのではなく、プラスになるのだ。

 

-但し、"継続する"ことが大前提である-

 

少しずつでも、プラスを実感できるからトレーニングを継続していく。
そして、その変化が実感できない時であっても、「うまくいく」と信じるのである。

 

これは何も、スポーツだけに限ったサイクルではなく、運動でも勉強でも、そして仕事でもこの仕組みは変わらないのではないだろうか。

 

"こうありたい"という自分の思いがあるからこそ、その為の方法を学ぶ。
その方法は複数あるだろうし、一度でクリアできるものばかりではない。
なかなか結果が出ない事や失敗することももちろんあり、その時には「うまくいく」という思いが次につなげていく。

試行錯誤を繰り返す中で新しい事を学び、自分の中に少しずつ何かを蓄積していくのだろう。

 

気持ちがあって、行動が起き、そこに試行錯誤と継続が加わり変化が見出せる・・・

 

OBT協会が実施しているトレーニングも、まさにここである。

どれだけ理論や方法を学んでも、その必要性、もっといえば「こうありたい」という能動的な姿勢がないのであれば

学びは全く役に立たなくなってしまう。

 

かつて、部活の顧問にこんな事を言われたことがある。
「毎日少しでもいいから練習をしろ。体が、得たものを忘れてしまうから」

 

これもまた、運動に限った事象ではないだろう。
人は、忘れてしまう生き物で、楽な方に流れる生き物である。

自分の生活の中の一部としてその物事をしっかり取り込んでいるかどうか。
非日常の中ではなく、日常の中で向き合えているかどうか・・・この姿勢がその先を決めていくのだろう。

 

-自分は今、非日常の中にいるのか、日常の中にいるのか-

 

どちらなのだろうかと、問いかけたくなった。

 

 

‐変えていいものと変えてはいけないものを明確に‐

 

今回、コラム「この人に聞く」にご登場頂いた、
株式会社壱番屋 代表取締役社長 浜島氏のインタビューの中でこの様な言葉があった。

創業の精神と会社の理念は変えないが、それ以外はゼロベースで考え直したという。

 

人は本来、変化が嫌いな動物。人が成す組織も企業も同様である。
自覚をしなければ過去の経験則という慣性に沿って時間だけが過ぎていく。
そして、外部環境だけが信じられないスピードで変わっていく。

 

先日ある新聞記事に目を奪われた。
「ウォークマンという名前を冠した商品をやめてはどうか」

ソニーではこの様な議論がなされ、i-podを追撃するために現在新たな商品開発に取り組んでいるという。

過去との決別をより一層迫られる事態は、何もソニーだけに特別起きているのではなく

間違いなく、どの企業にも同様に起こりつつあるのでは、と感じた。

 

‐「トンネルを抜けると雪国であった」という小説の通りなら、
 春が来れば草木がまた生えてくるだろうが、この先はトンネルを抜けたら「北極」と考えた方が良い。
  スキやクワを捨てて、弓矢をとってアザラシを追わなくてはだめだ‐

 今の経済状況を旭化成の蛭田史郎社長はこの様な言葉で表現している。

 

企業も、そこに所属する人も、これから先を生き抜いていくためには

 

‐変えていいもの 変えてはいけないもの‐   そして   ‐変えなくてはいけないもの‐

 

これらをより一層の覚悟を持って決断しなければならないのではないだろうか。

 

変えていいもの 変えてはいけないものを改めて思い知らされる重みの言葉である。

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