2009年5月アーカイブ

「PB商品によって大量生産・大量販売で攻勢をかける大手スーパーが

業績不振に沈む中、活力を増す中堅の食品スーパー。

その裏側には、地場固有の文化・地域性を熟知し、高い精度で
"売れる商品"を"売れるタイミング"で小売に提供する、卸業の存在がある-」

 

この様な内容の記事が先日、日経新聞で紹介されていた。

 

半世紀前ベストセラーとなった「流通革命」では、"問屋中抜き論"が語られ、
現実、世の中のあらゆる媒体・仲介等、川中に位置する役割は相対的に価値が低下している。

 

しかし、その一方で最終消費者の動向にまでアンテナを立て、
小売業に提供する付加価値の高さで勝負をする卸業者も存在する。

 

この様に、以前とは様式を変え付加価値を高める企業と、

「顧客第一主義」を標榜しても、何も変わらず停滞する企業。

この差はどこにあるのか。

 

今回「この人に聞く」にご登場頂いた常盤産業株式会社、
代表取締役 清水氏のインタビューに一つのヒントがある。

 

「よくある組織図というのは、トップが上にいるピラミッド型ですね。
 弊社では、それが逆なんです。
 一番上はお客さまや仕入先(中略)管理者層はその下。
 一番下に私いるというのが、弊社の組織図です」

 

いくら、きれいな言葉で自社を飾り立てても、
ドラスティックに今までのやり方を転換しなければ

人や組織は決して変わらないことを、示唆しているのではないだろうか。

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先日、ハワイのマウイ島へ行って参りました。
ハワイは初めて訪れる場所でしたが、そこで出会う人達の明るさやゆったりと流れる時間
そして何ともいえない心地よい風は、訪れる人を優しく癒してくれるだろうという感覚になりました。


マウイ島の海岸沿いの街、「ラハイナ」では立ち並ぶギャラリーの多さにびっくりしました。
街から見える眺めは、まさにどのカットも絵になる風景が広がっている島です。
マウイ島には古くからセレブや富豪達の別荘地が多く存在している為、
豪華な別荘を飾るアートの需要が高かったと言われています。

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ラハイナの街を歩いていると、絵画だけではなく、木彫りや籠細工、ガラス細工などのユニークは手作り工芸品の展示も随所で見られます。


ちょうど、ラハイナ港の目の前にある、バニヤン・ツリー公園で開催されるアート・フェアに立ち寄りました。
中には、「これは何に使うのだろう?」と一瞬不思議に思うモノもありますが、見る人の心にとって「絶対的な価値」を見出すのがアートの神髄でもあるのだと思います。

 

ラハイナだけではなく、マウイ島には多様なアートがあります。
イルカやウミガメをテーマにした「海洋アート」から、有名なラッセンの絵画。
また日本の鯉をテーマにした陶器やヴィンテージアート、そしてマウイ島の自然をモチーフにするアートも数多くあります。
つまり、マウイ島にはこれら多くのテーマから価値を発信していくアートが存在し、
そこに「価値」を見出す人が多く存在しています。

 

また、直接マウイ島で見た絵画ですが、そのどれもが大型サイズのキャンパスに、
細かい描写まで描かれたレベルの高さに圧倒されました。
その迫力に、見る側にも新鮮で心に響く感動を与えてくれます。


そこには、単なる画家という仕事を超越し、人生を一枚の絵に注ぎ込む姿がそこにあり、

迫力と尊敬の念を抱きます。

 

何か「価値」を見出すものを生み出すには、そこに費やす時間だけではなく、
何を生みだしたいのかという強い信念があるからこそ、人に感動や思いが伝わるのだと思います。

 

今回の「この人に聞く」では常盤産業株式会社 代表取締役 清水英敦様のお話の中で、
モノが売れない時代の切り札は「付加価値」であると説いておられます。

 

既存の商品を売るだけではなく、ないものは作ってしまう「創作商社」であるという「付加価値」が、
お客様から選ばれることになっているということです。

 

そこまでかける思いの深さに大変感動いたしました。

 

OBT協会 日比野 志帆

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