2008年2月アーカイブ

普段、人事担当の方とお話をしていると、
「採用や教育を何のために行うのだろうか」と疑問に思う事がある。

例えば、この時期、新入社員の話題になる事も多いが、
採用面では、採用人数の確保が最優先され、
企業は会社の表面的な良さ(楽しい雰囲気、キャッチコピー等)だけを打ち出し、
人事担当者も柔らかい対応に徹する...
育成面ではOJT、メンター等、制度の導入に落ち着く。
教育も研修テーマを並べるだけ...等、
それぞれが断片的で、上辺だけの整合性で留まっている状況も少なくない。

つまり、重視すべき一つ一つの目的が無視され、
「我が社に必要な人財とはどのような人財か」
「自律的な人財にするために、組織はどう変われば良いか」
「OJTに関わる若手-中堅社員を統率するマネージャークラスの
在り様はこのままで良いか」等々、
本来話すべき議論が全くなされていないのだ。

また、企業によっては"若手-中堅-管理職"と教育担当が分かれており、
階層を超えた連携が重要なのにも関わらず、
「自分は管轄が違う。出過ぎた事をすると、ややこしいことになる」等、
自らが部署内に壁を作っている事もある。

これでは、社員が自律的で革新的な人財に変わるはずもなく、
いくら採用や教育、制度に時間・労力・コストをかけても成果は高まらない。

何も疑問を抱かず、こだわらずに毎日仕事を進めていけば楽だし簡単だ。
しかし、それが日常的に繰り返され、積み重なっていくと
予期せぬ結果が企業を襲い、体質そのものとして醸成されていく。


仕事をしていく中で、
「本当にこのままで我が社が変わるだろうか」
「社員が成長していくのだろうか」
という疑いをほんの少しでも感じた場合、もっと深く突き詰めて考え、
本来の目的を一つ一つ見つめ直していくべきだ。
人は瞬間的に変わらない。
この細かな訓練の積み重ねこそが、人・組織が変化する上で重要なのではないだろうか。

                                 OBT協会 海津茂史

漫画"働きマン"に象徴されるように、最近では、"女性"が"働く"ということに注目を置いて、活用しようという風潮が高まってきている。そのことは、少子高齢化・格差社会などと、危機迫る現実社会に、性の垣根を越えた「人財の必要性」が考えられる。

ここで考えなくてはならないのは、性別云々ではなく、組織を形成する者同士が、協力しあって「企業の活性」を図ろうとするためになすべき対応として、女性の活用を捉えているかということである。

平成15年の経済産業省の調べによると・・・
① 女性比率の高い企業は利益率が高い
② 女性比率の変動と利益率の変動の関係性は必ずしも比例関係にはない
という2点の分析結果が出た。
つまり、女性比率が高いことが企業の活性に直結する要素ではなく、活性の要因は何らかの企業の特性があると考えられる。女性が活躍できる風土を持たない企業が単に女性比率を高めても利益率を上げることはできないのだ。

例えば、人と人が家族形成を行う中で子孫繁栄を考えたときに、女性には出産という神聖なる役割を担っている。このことは、絶対的条件として変わりようのない事実である。しかし、その事実と、各個人の能力というのは、全く別次元の問題であり、この変わりようのない事実に、当事者と企業側がどのように向き合うかということなどが重要ではないだろうか?

個人の能力やモチベーションを、企業活性の根源とするならば、企業側は、いかにしてその能力を向上出来る土壌を形成し、リターンとなる成果物を見越して協力体制を整えようとするのか。また、当事者が、その状況を活かされていると感謝して捉え、更なるモチベーションアップに繋げようと努力できるか、双方での歩み寄りが大切ではないかと思う。

今後ますます女性の活躍できる環境が整えられていくなかで、生活の糧という括りだけではなく、人が仕事を通じて求めるモノ、価値観・仕事観は多様である。「女性だから・男性だから」と処遇することであったり、「あんな女性にはなれない」と自分自身が固定概念に縛られることなく、働くことから得ようとしているモノを見失わず、自分を築きあげていかなければならないと思う。

私の周りには、自分の確固たる信念を持ち、教育に取り組む女性トレーナーや先輩方、またキャリアモデルとなる女性の生き方を考察出来る有難い環境がある。既婚・未婚に分けることなく、皆、自分の足で立ち、生きていこうをする凛とした姿がある。夫に依存することなく、パートナーとして共に人生を楽しもうというフェアな関係性がある。

私もこのような生き方・生きる道を築くために、日々意義を持って何事にも取り組もうと考える。

                              OBT協会  坂本晴香

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