2006年9月アーカイブ

お客様の採用のお手伝いを通じて日々実感すること - 2

株式会社エル・フォート 入社2年目の海津です。
最近、人事担当者から「採用できない」「スタッフが成長しない」と言う話をよく聞きます。
多くの担当者は「求人媒体が良くない」「今のスタッフが悪い」ということを理由に挙げますが、果たして本当の"原因"はそれだけでしょうか。

先日、アパレル関連のお客様から「お店を積極的に運営してくれる店長候補を採用したい」とお話しいただきました。
しかし、現在働いているスタッフの方に求人広告の取材をしたところ、「入社理由」や「仕事のやりがい」を聞いても具体的な解答はなく、「今後もアルバイトの販売スタッフのままで良い」という話で取材は終了してしまいました。

このように、多くの担当者は「社員がどのような思いで働いているのか」「自社が今どのような環境であるのか」を理解できないまま、"何となく"優秀な人物像を描き、「採用したい」という結論を出します。
その結果、「質の高い人が取れない」「成長しない」「また辞めていった」という"現象"だけに終始します。

求人広告や人材派遣・紹介等は、確かに必要な人材を採用するのに効果的な手段ではありますが、あくまで採用する"手法"にしか過ぎません。入社した後に定着し、戦力として成長するかどうかは企業という土壌によるところがほとんどです。

前回もお伝えしたように、労働人口が減少していく中で、「人材」に関する課題はいっそう重要視されていくのは確実です。

この構造の中で着実に体質を改善していくためには、
「定着しない、成長しない」という表層的な現象だけに固執せず、「なぜ定着しない環境なのか」「なぜ成長できない土壌なのか」と内部に"原因"を見出そうとする姿勢が重要と思います。
                       株式会社エル・フォート 海津 茂史

お客様の採用のお手伝いを通じて日々実感すること - 1

株式会社エル・フォート 入社2年目の海津です。
毎日コミュニケーションズが、07年春卒業予定の大学生を対象に行った調査によると、今年の就職活動を表す漢字の1位は「楽」、2位は「迷」、3位は「動」という結果になりました。ちなみに、就職氷河期と言われた2001年の調査では1位「苦」、2位「耐」、3位「忍」と、今回とは対照的な漢字が並んでいます。

■「楽」に「楽」しく就職活動ができた反面、企業を絞りきれず「迷」った学生も多いようですが、「迷」える現状は新卒だけではありません。定職を持たない若年の「フリーター層」は03年の217万人をピークに05年には201万人に減ったものの、働く意志のない「ニート」は02年に64万人に達して以降、減少する兆しは見えていないようです(数値は日経新聞調べ)。

■「新卒」「フリーター」...学生からの卒業を境に、仕事選びで様々な「迷」いが生じているようです。それでは大学生を目指している「受験生」には、現在どのような特徴があるのでしょうか。

■最近、大手予備校の企画・マーケティングチームの部長とお話しをする機会がありました。
そこで「今の予備校生を『漢字一字』で表現していただけますか」とお願いしたところ、「個」と回答をいただきました。
多数と共存、競争するのではなく「個人を見てほしい」「自分の都合を最優先する」という意味だそうです。膨大なモノ・情報・サービスが溢れる中で、それらを自由に自分の好みで選択できる、そんな現代の背景が反映されていると感じました。

■現在求職者数は頭打ちの状態。有効求人倍率も1.68倍とバブル期並です(H18年度6月:東京労働局調べ)。少子化が進み、求人件数も余剰していく中で、情報を自由に取捨選択してきた世代を採用していくには、どうすれば良いのでしょうか。

■常にモノや情報が溢れている世代にとって、「やりたい事」「欲しいもの」を問われても、「どれが本当なのかわからない」のが普通なのかもしれません。
だからこそ、企業側が「自分達はどんな会社なのか」を、学生へ正確に伝えることが大事なのではないでしょうか。

■「どんな会社か」相手に伝えるためには、まず「自分達がどんな会社」なのかを知ることから始まります。「自社のものさし」ではなく「客観的に会社を知り」そして「事実を伝える」ことが、会社も求職者も不幸にならないために必要なことなのではないでしょうか。
                        株式会社エル・フォート  海津 茂史

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