2006年3月アーカイブ


東京で桜の開花宣言がなされた春分の日、WBC(ワールドベースボールクラシック)で王ジャパンは世界一に輝いた。
一度は二次予選敗退を覚悟するような状況を経験しながらも、不死鳥のように決勝トーナメントを駆け上がり、そのまま頂点を極めたそのことに私も含め多くの日本人が歓喜に沸いた。

このことは、企業経営や組織マネジメントに携わる我々に多くのことを示唆している。
ひとつは、韓国戦に二敗した後のイチローの言動に象徴されるように、“自分や他人に対する要求水準の高さ”であろう。
“自分や他人に対する要求水準の高さやシビアさが組織全体のレベルや力を向上させ強い組織と強い人財を作る”ということであろう。
これと対比して冬季オリンピックの日本チームの惨敗を考えたとき、惨敗しても“感動を与えてくれてありがとう”と評している人たち。
この違いは非常に大きい。“惨敗に対して多くの日本人は本当に感動したのだろうか?”
この要求水準の低さと安易な妥協が、結果的に組織や人を弱体化させてしまっているということに気づかなければならない。

確かに、結果だけではなくプロセスが重要ということはわかっての話ではあるが、然しながら、スポーツも企業も勝つために戦っているわけで、勝てなければ話にならない。

もうひとつは、“勝利するという目的に向かってこれに関わる人たち全員が一致団結し、一丸となる”と“選手一人一人の能力やスキルの高さ”をはるかに凌駕出来るということを王ジャパンの勝利と米国チーム等の敗戦と対比して見るといえるのではないだろうか。

仕事柄、多くの企業の経営者にお会いすることが多いが、その際『我が社は人材がいない』『主体性が無い社員が多い』等と仰る経営幹部の方々が比較的多いが、確かに社員一人一人の能力やスキルのレベルは大事ではあるが、その前に「自社の勝利のために、社員一人一人が団結して、まとまって戦いに挑む」ような状況設定やモチベーションの喚起を経営やマネジメントに携わる我々が真剣に行なっているのだろうか。
単に、人事部門任せや流行の人事制度構築等でお茶を濁していないだろうか?

WBCの王ジャパンの勝利が企業経営や組織マネジメントに携わる我々に示唆するものは非常に多い。

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