2013月10月09日
企業の成長は人財が左右する
日本企業は、アベノミクスで元気を取り戻したように見えるが、
企業の抱えている構造的問題は全く解決しないように思える。
事業のグローバル展開がうまくいかず
世界のライバルに比べて成長力で見劣りする点である。
例えば、売上高順に世界の企業を並べた米国フォーチュン誌の
500社ランキングでみると、
1995年には141社の日本企業が名を連ねていたが、
2012年には、半分以下の62社になってしまった。
米国企業と欧州企業はいずれも140社前後で横ばい。
この間、急速に台頭してきた中国企業に押し出されたのが
日本企業だったのである。
また、世界の企業の時価総額ランキング(2013年7月末時点)を見ても、
50位以内は、トヨタ自動車1社(20位)のみ。
100位以内となると三菱UFJが70位、ソフトバンクが87位にかろうじて入る。
長期にわたって業績が足踏みしている企業は
何らかの問題を抱えているわけだが、
日本企業の場合、
問題の本質は構造的なところにあるように思われる。
国内で生産し、それを輸出している時代は良かった。
だが、現地に拠点を展開し、
現地の人財を登用して競争するという段階に入ると
勢いが陰ってしまった。
その一方で優れた戦略を持つ企業は、極めて好調である。
売上高1兆円に近づきつつあるファーストリティリングや
ヤマトホールディングス、そしてトヨタ、NTTに続き
利益で1兆円を達成しつつあるソフトバンク等はその代表格であろう。
例えば、ヤマトの場合、グループの社員数は今や17万人、
15年前よりも10万人も多い。
様々な新サービスを加えて顧客が通信販売というビジネスを
利用しやすくするインフラを作って
他産業の成長を促して自社事業を拡大してきている。
今の時代、企業の競争優位の源泉は、
コストでも、設備でも、技術でもなく、
まぎれもなく人の力である。
その企業がどれだけ優秀な人財を育てられるか、
惹きつけられるかで企業の成長は左右される。
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