2013月09月11日
「社員の意識」と「企業風土」は相互に影響を及ぼす
社風や体質、企業風土というのが、いい意味でも悪い意味でも社員の意識や
社内の空気を規定することは間違いない。
「企業風土」とは、その企業の創業から現在に至るまでの歴史を反映したものである。
特に、創業者等トップマネジメントの価値感、リーダーシップ、或いはその企業の中に
蓄積されてきた成功体験や失敗体験の学習の産物で様々な形で企業や組織内に浸透している。
例えば、決められたことは、忠実にやるが他部門や全体のことには関わらない、
「出る杭は打たれる」的な企業風土であれば、
いかに革新的な戦略を立案しても実現出来ない。
戦略は、風土と適合した時、もっともその実効が上がる。
いろいろな企業では風土改革に取り組んでいるが、
うまくいっていない事例を見ると共通点がある。
風土改革で陥りやすい三つの欠陥
1.組織の「段階」を見誤る
創業期、拡大期、多角期、成熟期のどの段階か、それにより課題と打ち手が異なる。
2.スピード感を見誤る
組織変更や制度の制定に代表されるハード面の変革はスピディである必要があるが、
企業風土や社員の意識改革のようなソフト面の変革は忍耐強く行わなければならない。
同じレベルで考えると副作用を招く。
3.各対策や色々な打ち手との整合性をとっていない
複数の施策や対策を講じる際には、必ずそれぞれの施策や対策間(戦略、組織、制度、
仕組み、人財、風土・体質等)の整合性をとることが大事になる。
施策や対策間に相互に矛盾をかかえているような場合、
効果的に機能せず、また、混乱を招く。
人間の心理的な側面
また、もうひとつ、風土の劣化を考える時、最も重要な側面は
「人間の心理的な側面」であろう。
何故ならば、この心理的なものが人間の集合体である組織を規定するからである。
例えば、人の心理的側面
① 変化に抵抗し、これまでのやり方に根拠もなく固執しようとする心理
② 一度得たものは容易に手放したくないという心理(例えば、年収、制度から得られているメリット等)
要は、新しい施策の善し悪しを絶対的な基準で判断するのではなく、これまでとの差が善し悪しの判断基準となる。
③ 同じ社内でありながら、自分の仕事と他の人、他の組織との間に線を引こうとする心理
排他的な縄張り意識へ
④ 手段の目的化・・・「見えにくいもの」から「見えやすいもの」へ流れるという心理
⑤ 何か新しいことをやろうとする時、どうやったら出来るかを考えるのではなく、「それはウチには合わない」
「ウチでは難しい」と考えることを放棄し、これまでの延長線のやり方に終始しようとする心理
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