2013月06月12日
ブログ「Opinion」配信にあたって
我々は、経営やマネジメントに公式等全く無いと考えております。
然しながら、日本には、経営に関わる治療薬を欲しがる企業や経営者達が
たくさん存在しているように思えてなりません。
そのために、例えば、あたかも"企業経営に関する新たな治療法を開発した"如きトークで、
声高にその有効性を主張している人達、或いは、日本を代表する企業に関する知識を
まるで自らがその会社を経営していたが如く、知る限りの情報を売りにして商売をしている
人達、更には全く自らの創造性で考案したものでないビジネススクールの学生であれば、
誰でも知っているようなマネジメントに関するフレームをいかにも"とてつもない戦略に関する
秘策"の如く披瀝して、お金を稼いでいる人達。
そして給与の格差を大きくする効果を推奨する人事コンサルタント等も日本にも山ほどいる。
この種の様々な治療薬が企業で導入され、何らの成果を上げることも無く次第に
霧散霧消し、また、新たな治療薬が導入される。
その度に現場の人達は振り回されて期待感も喪失してしまうのである。
本来、自社にとって最も格好な治療薬は、我が社の中に、我が組織の中にこそある、
そこにそのヒントがあるということが全く忘れ去られて正解を外部に求めているのである。
成果を上げるためには、業績を上げるためには、給与の格差を大きくするよりも、
「社員間の協力」「社員間の連携」「情報共有」等が欠かせない重要な要素であることを
考えるべきなのである。
昨今は、どこの企業の経営者も組織力を強化したいと言われるが、組織力の向上は、
社員個々人が学習することによってのみ向上するものであり、個人の学習なくして
組織の向上はない。
組織の向上に本気で取り組むには、残念ながら個人の学習が必須であると本気で
認識出来ているリーダーは非常に少ないように思える。
これは少し前の京セラの稲盛会長の言葉ですが、
「今、多くの日本企業が低迷している。技術や資本は決して不足していないし、
優秀で勤勉な社員もそろっている。然しながら、日本企業のリーダーの多くは、
『財務指標や前年対比等といった目にみえるもの』に気をとられすぎている。
大事なことは、目に見えない社員の意識や企業風土等である。企業のリーダーは、
社員がやる気になるための工夫と配慮に、もっともっとも関心を持つ必要がある。」
と言われていたが、非常に本質を捉えた見解に大変感銘を受けた。
事実として働いている人達の意欲、働いている人達のヤル気は、企業にとっては、
設備機械等よりもはるかに高い、最大といえる生産性であり、これに勝るものはない。
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